Brillante amore! ~愛と涙のアオハルstory~
---side Kei 2.---

金管の人から好奇の目を受けながら、Englishroomにたどり着いた。

ここはパート部屋としては使っていない。

美玲は本当に苦しそうな顔をして寝ている。

…どうしたんだよ。

美玲を一旦座らせ、椅子をいくつも出してベットになるようにして寝かせる。

「…美玲」

お姫様抱っこと美園さんには茶化されたが、それはいずれかはするつもりだった。

決してこんな場面ではしたくなかったのだが。



ガラッ

突然、扉が開く。

部長だ。

「美玲どう?」

「寝てる。苦しそうな顔で。」

そう答えると、部長は不思議そうな顔をする。

「私とあやの見解話してもいい?」

「どうぞ」

「美玲が倒れた原因は2つある。」

…2つも?

「1つ目は、けいも予想してたと思うけど、過労。ストレスもあるかな。」

それはなんとなく分かってた。

「あとは、生理中で貧血が酷かった」

「…」

男にとってその話題はどう反応して良いのかわからない。

「なんでそれが分かったの」

するとりんは平然と答えた。

「生理痛の症状がヒットしてる。
大体生理痛は腹痛か頭痛。けい、覚えておきな。」

…努力はする。

「多分ココ最近忙しくて大分無理してたのね。その疲れと生理が重なった、多分」

美玲はどこまで無理してたんだろう。

そして、そこまで自分は頼りない存在だったのだろうか。

一応彼氏なんだけどな。

「けいが責任感じても意味ないわよ。」

驚いて部長の方をむく。

「誰がなんと言おうと美玲は一生無理するわ。美玲完璧主義だし。」

部長は話を続ける。

「普段は冷酷なのにね。この子、けいの話するときは顔がにやけてる。」

ん?

「まぁけいもそうなんだけど。2人がお互いのことを話す時は空気が変わる。」

…それは無自覚だ。

「私は美玲じゃないから分からないけど、美玲にとってけいは安らぎみたいな存在じゃないのかな」

「ありがとう、部長」

「美玲のこと、幸せにしてあげなよ。」

「言われなくても。」

と、そこへ。

「失礼します」

振り向くと、美園さんと上川先生と設楽先生がいた。

…先生呼ぶ考えなんてなかった。相当気が動転してたんだな。

「早乙女さんのお母さんには連絡した。すぐ来てくれるって」

それが1番良い選択肢だな。

美玲の様子をみた先生2人が言う。

「やっぱり病院に行かせた方がいい」

…まじか。

「そうでもしないとこの子休まないので、そうしてください。」

部長が先生に言う。

…無理だと思うけど、言ってみるか。

「…あの」

みんなが僕の方を見る。

「僕、美玲についていってもいいですか」

先生たちは顔を見合わせる。

「美玲が心配なんです。トランペットは大丈夫なはずなので。」

そこまでいうと、設楽先生はため息を着く。

「新川くん。早乙女さんのことが大切なのはわかるけど、これは俺らの許可じゃなくて早乙女さんのお母さんの許可が必要だからね」

「じゃあ…」

「一応聞いては見る」

「ありがとうございます!」

「じゃ、そろそろお母さんが来るはずだから早乙女さんの荷物も持って玄関に行こう」

設楽先生、ありがとうございます。

「けい、私が美玲の荷物持ってくわ。」

「よろしく部長」

「トロンボーンパートにはうちが言っておく」

「ありがとう美園さん」

結局僕は、美玲のお母さんと病院に向かったのだった――
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