Brillante amore! ~愛と涙のアオハルstory~
--- side Mirei ---
「んん?…ここどこ?」
いつの間にか寝ていたのだろうか。
視線の先には白い天井。
「あ、お母さん、美玲目覚めました」
この声は…
「けい?」
私がそういうと、視界にけいの顔が入る。
「そうだよ。」
…なんで?
「ねぇ、この状況っ…」
私が言いかけると、
「美玲!大丈夫だった!?」
ママがこちらの除く。
「ちょ、ママ、声響く。」
「ごめん、つい」
私はベットらしい所から起き上がる。
「ちょっと、無理しないで」
「いや、平気だけど。」
それより。
「ここどこ?今どういう状況?」
私がそういうと、けいは質問した。
「美玲、聞くけどどこまで記憶にある?」
えっ。
「うーんと、体調悪いなって思ったけど、基礎合奏してた記憶はある。」
正直に答える。
「じゃあ、その後に倒れて僕に運ばれた記憶は?」
…何それ!?ない!!
必死に脳内の記憶をたどっていると、ママが言う。
「突然電話が来たと思ったら、上川先生から、しかも美玲が倒れたって聞いてホントびっくりしたんだから!!」
「それは素直にごめん」
というか、まず。
「私なんで倒れたの?確かに体調が悪かった気もするけど、そこまで酷くなかったよ?」
そこまでいうと、扉が開いた。
あれ、ここ病院なの?
「あぁ、よかった。」
人あたりの良さそうなおじさんだ。
白衣を来ているので、きっと医者だろう。
「えぇ、早乙女美玲さん。貴方が眠っている間に検査をしました。」
え、記憶ないよ。
「恐らく過労です。」
…え?
過労って、働きすぎて死んじゃう、あの過労?
「それに、貧血なのが加わったようですね」
確かに私生理きてたわ。
「そこまで健康面には問題ありませんが、大事をとって1晩泊まってください。」
病院でお泊まりって、、、
「入院ってことですか?」
私がそう聞くと、お医者さんは頷く。
「そうです。」
「では、入院手続きを行いたいので、お母様は僕の診察室へ行きましょう」
「はい。
けいくん、美玲のことよろしくね」
「もちろんです」
ママとお医者さんが病室を出る入れ違いに、パパが入ってくる。
「美玲!?大丈夫か!?」
パパ仕事調整したの。
「至って健康だけど。」
なんの感情も込めずに答えると、パパはため息をつく。
「よかったぁ~」
親バカか。
と、ふとパパは我に返った。
「君は…!」
ん、けいのこと?
「お父さんには挨拶したことなかったですよね。僕、美玲さんとお付き合いさせて頂いている新川けいと申します。ご挨拶が遅れてすみません」
パパは納得したような顔をする。
「あぁ!美玲とママからいつも話は聞いているよ。頭も顔もいいトランペットの上手い男の子って」
ちょ、恥ずかしいからやめて。
「そんなできた人間ではないですけど。」
けいも謙遜上手すぎ。
「美玲、こんないい人と付き合えてよかったな!けいくんだったら結婚を認めてもいいぞ。」
…えっと、どこから突っ込めばいいの?
「そうですね、その時がきたら改めてご挨拶に伺います」
けい、やめんか!!
「美玲、そんな驚いた顔してるけど、僕と結婚するつもりないの?」
そんなずるい顔で聞かないでよ。
「…あるけど何?」
「意思確認」
あっそ。
すると、パパの携帯が震える。
「あっ、取引先だ。じゃまた!」
軽っ。
慌ただしそうに去っていったパパを見送り、私はけいに気になってたことを聞いてみた。
「ねぇけい」
「何?プロポーズはまだだよ。」
「違うそうじゃなくて。
今部活中じゃないの?けいここにいていいの?」
「あぁ、そんなこと」
そんなことだよ!
「大丈夫、先生たちには許可もらった。トランペットは誰かがやってるだろうし、トロンボーンも島田さんがやってるから。」
壁に掛けられた時計は2時を指している。
「あと、美玲をお姫様抱っこしたんだけど。気づかなかった?」
――えぇ?!