Brillante amore! ~愛と涙のアオハルstory~
けいから一連の事情を聞いたところでママとお医者さんがきて、質問をいくつかされた。
生活リズムを正直にこたえるとみんなに呆れた顔をされ、さらに叱責の言葉を受けたので、「自粛します」とだけ答えた。
そうして、次の日私は退院をしたのだった。
✄--------------✄
とある土曜日の昼下がり。
基礎合奏を終え、大好きな新川先輩の元へ向かう。
「新川先輩」
「はい」
うん、顔も声も好き!♡
「なんで朱里がこれ1stじゃないんですか?!」
うちが先輩に差し出したのは、3rdの楽譜。
この曲の1stにはソロがある。
とても大好きなところなのに、新川先輩は朱里を困らせたいのかな?
「朱里、ソロやりたかったんです!!」
上目遣いでお願いをする。
可愛い朱里をみれば、新川先輩もきっと1stをやらせてくれるはず。
すると、新川先輩は
「1stとかソロはみんな均等になるようにしてるからごめんなさい。次のは板見さんが1stになるようにするから。」
なんていう。
もう先輩わかってないな!
そういうところも好きだけど♡
「いやです!」
駄々をこねて、許してもらお。
すると、突然誰かが叫んだ。
「美玲!?」
びっくりしてみると、美玲先輩が床に倒れてるじゃない!
「美玲!?」
目の前にいる新川先輩は美玲の元へ向かう。
…そっか。朱里より彼女の方が大切だよね。
うちはずっと前から新川先輩が好きなのに!
確かに美玲先輩は可愛くて頭もいいけど、なんで新川先輩は美玲先輩なの!?
なんだか怒りの感情がフツフツと沸いてくるみたい。
きっと美玲先輩をお仕置きしなきゃ、っていう神様からのお告げなんだ。
そうだよね。
朱里の新川先輩をとったんだもの、お仕置きしなきゃだよね!
「ねぇ、みんな聞いて!」
うちは、トランペットパートのみんなに声をかける。
なんでかって?
みんな新川先輩のことが好きだから。
きっと、喜んで美玲先輩へのお仕置を協力してくれるはずだから……ね?