Brillante amore! ~愛と涙のアオハルstory~





けいから一連の事情を聞いたところでママとお医者さんがきて、質問をいくつかされた。

生活リズムを正直にこたえるとみんなに呆れた顔をされ、さらに叱責の言葉を受けたので、「自粛します」とだけ答えた。



そうして、次の日私は退院をしたのだった。







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とある土曜日の昼下がり。

基礎合奏を終え、大好きな新川先輩の元へ向かう。

「新川先輩」

「はい」

うん、顔も声も好き!♡

「なんで朱里がこれ1stじゃないんですか?!」

うちが先輩に差し出したのは、3rdの楽譜。

この曲の1stにはソロがある。

とても大好きなところなのに、新川先輩は朱里を困らせたいのかな?

「朱里、ソロやりたかったんです!!」

上目遣いでお願いをする。


可愛い朱里をみれば、新川先輩もきっと1stをやらせてくれるはず。

すると、新川先輩は

「1stとかソロはみんな均等になるようにしてるからごめんなさい。次のは板見さんが1stになるようにするから。」

なんていう。

もう先輩わかってないな!

そういうところも好きだけど♡

「いやです!」

駄々をこねて、許してもらお。








すると、突然誰かが叫んだ。

「美玲!?」

びっくりしてみると、美玲先輩が床に倒れてるじゃない!

「美玲!?」

目の前にいる新川先輩は美玲の元へ向かう。

…そっか。朱里より彼女の方が大切だよね。

うちはずっと前から新川先輩が好きなのに!

確かに美玲先輩は可愛くて頭もいいけど、なんで新川先輩は美玲先輩なの!?

なんだか怒りの感情がフツフツと沸いてくるみたい。

きっと美玲先輩をお仕置きしなきゃ、っていう神様からのお告げなんだ。

そうだよね。

朱里の新川先輩をとったんだもの、お仕置きしなきゃだよね!

「ねぇ、みんな聞いて!」

うちは、トランペットパートのみんなに声をかける。







なんでかって?

みんな新川先輩のことが好きだから。

きっと、喜んで美玲先輩へのお仕置を協力してくれるはずだから……ね?
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