Brillante amore! ~愛と涙のアオハルstory~
後ろを振り返ると、沢山の野次馬がいた。
3年生も2年生もたくさん。
ここからやった人の特定は無理だな。
「はい、みんな帰って。」
りんがこう言ってくれたので、みんなは帰っていく。
だけど。
「ねぇ、緊急幹部会しない?」
声の主は、あやだった。
隣には同じフルートの田村愛莉がいる。
「あや、奇遇ね。私もそう思ってたよ。」
「僕も」
え、まじ?
私思ってなかったんだけど。
というかけいどこ?
「あぁ、けいは部屋使っていいか上川先生に確認しに行った」
え、行動早。
「愛莉、どうする?」
いつもあやと一緒に登下校している愛莉の選択肢は、待つか先に帰るか。
そう思っていると、愛莉は意外なことを言う。
「いや、うち重大な証人かもしれないから参加していい?」
どういうこと?
「別にいいよ」
りんが承諾したので愛莉は参加決定だ。
と、けいがこちらに戻ってくる。
「会議室使っていいって。」
あ、そうなの。
「じゃあいきますか。」
みんなで会議室へ向かう。
「で、学指揮、結構聞きたいんだけど。」
席について早々、あやから言われる。
「どのくらい?」
「まず、」
おい、話聞け。
「上靴もなんかされたよね?」
「なんでわかるのよ。」
「「スリッパだから。」」
りん、愛莉、被ったね。
私は仕方なくカバンから袋を取り出す。
「まじで古典的ないじめよ。画鋲大量にはいって上靴も濡れてる。」
「うわっ、悪質」
「やばすぎ」
「エグい」
「よくやるよ」
「絶対許さん」
最後の発言だけ意図違うけど、まぁいいや。
「心当たりあるの?」
りん鋭い目をしてきく。
怖っ。
「あったら良かったんだけどね。
ないから学指揮困ってるの。」
正直に答える。
「というか、田村さんが重大な証人ってどういうことなの?」
けいが気になってたことを代弁してくれた。
「では、けいくんに聞きます。」
サスペンスドラマか。
「けいくんは、美玲が倒れた時の事おぼえてる?」
それ先週くらいじゃん。
「もちろん。愛する彼女が倒れたからね。」
――さらっと恥ずかしいこといったよね、今。
「美玲が倒れる前、何してた?」
え、基礎合奏じゃないの?
「基礎合奏じゃなくて?」
けいは全く同じことをいう。
「そこじゃなくて!間!」
どういうこと?
みんなも頭が?みたいだ。
「あ、そういうこと。」
何?
「板見さんに喰らってた」
…は?
「それは何のことについて?」
ゆうがみんなの声を代表して聞く。
「公民館でやった曲の1st」
まじで?
「僕がソロやった新曲。板見さんそれがやりたかったみたいで、凄いわがまま言われた。」
ソロ少なくてよかった。
「そういうことね。」
愛莉、なんか納得してる。
「繋がったわよ。真実が見えた。」
お前、2時間ドラマ出ろ。