Brillante amore! ~愛と涙のアオハルstory~


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入学式の演奏も何とか終え、楽器搬入も大体が済んだ頃、私はりんに話しかけられた。


「ねぇ、先生から今日の予定のこと聞いた?」

…私、今日先生としゃべった記憶が無い。


「いや1mmもない」

私がそう答えると、りんはため息をついた。

「だよね。ゆうも聞いてないらしいしさ。」

私は思ったことを聞いてみた。

「…まず先生って今どこにいるん?」

りんはしばらく熟考してこたえた。

「……わからん。」








私達の吹奏楽部の顧問は、今年赴任した設楽俊一(したらとしかず)先生だ。
ちなみに3年5組の副担任でもある。
担当は音楽だ。

前の顧問である谷先生は美術の先生であったため、美術室か職員室にいた。
しかし音楽教諭である設楽先生はここにいない。りん曰く職員室にもいなかったそうだから、先生は行方不明状態だ。




「今日って何時まで部活できるん?」

実は私たちは、明後日に新入生向けのオリエンテーション、来週にはスプリングコンサートと、とてもハードなスケジュールである。
少し疲労はあるが、練習しないとどちらも崩壊してしまう。


「あぁそれは上川先生に確認してきた。6時だって」

「さすが部長仕事早い。」

上川(かみかわ)先生は私達の副顧問だ。3学年の進路担当でもある。

今は4時すぎ。あと1時間半どうしようか考えていると、りんが口を開いた。


「とりまみんな休ませた方がいいよね」

そう言われ目を向けてみると、半分くらいの部員が疲労の顔で譜面台を組みたてていた。
確かに、私も疲労を感じているのだから当然だ。

「賛成。」

りんは頷いて、声を上げる。

「はいみんな、入学式お疲れ様。4:25まで休憩にします。25分には自分の席に戻って来てね。」

「「はい」」

返事をしたみんなは思い思いに休む。

「…うちらもちょっと休も。」

「そうだね。」

私も最上段の席に座り、少し休むことにした――
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