【女の事件】とし子の悲劇・最終回~漆黒の火砕流
第7話
アタシと離婚して、アタシの知人の女と再婚たアイツは、自分が悪いことをしたと言う気持ちは全くないので、次第に近所の人たちから反感を買うようになった。
アイツの弟は、長野原町の福祉施設でヘルパーさんのお世話になって暮らしていたけど、脱走騒ぎを繰り返していたので、施設側はガマンの限度を大きく超えていた。
8月9日のことであった。
アタシがバイトしているガソリンスタンドの店内のスピーカーから、NHKラジオの正午のニュースが流れていた。
最初のニュースは、浅間山の火山危険情報が伝えられた。
浅間山は、ここ数日の間に火山活動が活発になったので、警戒レベル4まで引き上げたと伝えていた。
もうそこまで危なくなっているみたい…
アタシは、そんなことを思いながら車のフロントガラスを白いタオルでふいた。
その頃であった。
アイツの女は、キンリンの住民からきつい視線で見つめられるようになった。
アイツの弟が、キンリンの家で暮らしている娘さんのショーツを盗んだ事件を起こしたことや長野原町の福祉施設から脱走したことなどがネックになっていたので、苦しい思いをしていた。
カノジョは、近所の奥さまたちに声をかけようとしたが、奥さまたちはしらけた表情でその場から立ち去って行く…
女は、やりきれない思いをかかえて家の中に入った。
この時、脱走騒ぎを繰り返していたアイツの弟が施設の職員さんと一緒に家に来た。
施設の職員さんは、アイツの弟は施設になじめないから家に帰した方がいいとアイツに提示したが、アイツは断ると言うてかたくなになった。
話し合いは平行線をたどったので、職員さんはアイツの弟を家に一度帰す形で施設に帰った。
その日の夜、3人で今後のことを話し合っていたが、ここでも話し合いは平行線に終わった。
「ゆうきさんお願い…施設に戻ってほしいの…お兄さんはゆうきさんと仲良く暮らせないと言うているのよ…ねえ、お願いだから施設に戻ってよ…」
「うるせー!!オレを施設に入れて、テメーらはヌクヌクと新婚生活をする気か!?何が仲良く暮らせないだ!!ふざけるな!!」
弟の言葉に対して、アイツは思い切りブチ切れた。
「それじゃあ!!どうして上田の工場へ行かなかった!?喜多原さんがセッティングしてくださったのに、どうして職場実習に行かなかった!?」
「ムシのいいことばかりを言うな!!職場実習で採用する会社がどこにあるのだよ!!1枚の書面に名前を書けば採用の会社なんてあるわけない!!」
「何を言っているのだ!!ゆうきが面接を受けても不採用ばかりでつらいと言うから、1枚の書面に名前を書けば採用をもらえる上田の工場を紹介したのだぞ!!喜多原さんは、昔からうちのことをよく知っているから面接試験を特別に免除してもらったのだぞ!!」
「ふざけるなよ!!オンボロアニキ!!」
「ゆうき!!」
「あなたやめて!!ゆうきさん、お兄さんにあやまりなさい!!」
「あやまれだと!!ふざけるなよ!!ここはオレの家だ!!出て行け!!」
「出てゆけはゆうきの方だ!!」
(ガツーン!!ドカッ!!)
アイツは、弟をグーで顔を思い切り殴り付けて倒した後、足で思い切りけとばした。
「ゆうきは、糸崎の家の恩を忘れたのか!?だれのおかげで50年間生きてこれたと思っているのだ!?中学の時にとし子ちゃんとトラブった時、お兄さんたちがどんな思いをしていたのか分からないのか!?」
アイツは、立ち上がれなくなるまで弟をシツヨウにけりつづけた。
アイツの弟は、アイツから受けた暴行によって殺された。
アイツと女は、亡くなった弟を浅間山の立ち入り禁止区域に置き去りしたあと、逃げた。
アイツの弟でアタシの元カレは、立ち入り禁止区域に置き去りにされたあと、発見されないまま人生を終えた。
アイツの弟は、長野原町の福祉施設でヘルパーさんのお世話になって暮らしていたけど、脱走騒ぎを繰り返していたので、施設側はガマンの限度を大きく超えていた。
8月9日のことであった。
アタシがバイトしているガソリンスタンドの店内のスピーカーから、NHKラジオの正午のニュースが流れていた。
最初のニュースは、浅間山の火山危険情報が伝えられた。
浅間山は、ここ数日の間に火山活動が活発になったので、警戒レベル4まで引き上げたと伝えていた。
もうそこまで危なくなっているみたい…
アタシは、そんなことを思いながら車のフロントガラスを白いタオルでふいた。
その頃であった。
アイツの女は、キンリンの住民からきつい視線で見つめられるようになった。
アイツの弟が、キンリンの家で暮らしている娘さんのショーツを盗んだ事件を起こしたことや長野原町の福祉施設から脱走したことなどがネックになっていたので、苦しい思いをしていた。
カノジョは、近所の奥さまたちに声をかけようとしたが、奥さまたちはしらけた表情でその場から立ち去って行く…
女は、やりきれない思いをかかえて家の中に入った。
この時、脱走騒ぎを繰り返していたアイツの弟が施設の職員さんと一緒に家に来た。
施設の職員さんは、アイツの弟は施設になじめないから家に帰した方がいいとアイツに提示したが、アイツは断ると言うてかたくなになった。
話し合いは平行線をたどったので、職員さんはアイツの弟を家に一度帰す形で施設に帰った。
その日の夜、3人で今後のことを話し合っていたが、ここでも話し合いは平行線に終わった。
「ゆうきさんお願い…施設に戻ってほしいの…お兄さんはゆうきさんと仲良く暮らせないと言うているのよ…ねえ、お願いだから施設に戻ってよ…」
「うるせー!!オレを施設に入れて、テメーらはヌクヌクと新婚生活をする気か!?何が仲良く暮らせないだ!!ふざけるな!!」
弟の言葉に対して、アイツは思い切りブチ切れた。
「それじゃあ!!どうして上田の工場へ行かなかった!?喜多原さんがセッティングしてくださったのに、どうして職場実習に行かなかった!?」
「ムシのいいことばかりを言うな!!職場実習で採用する会社がどこにあるのだよ!!1枚の書面に名前を書けば採用の会社なんてあるわけない!!」
「何を言っているのだ!!ゆうきが面接を受けても不採用ばかりでつらいと言うから、1枚の書面に名前を書けば採用をもらえる上田の工場を紹介したのだぞ!!喜多原さんは、昔からうちのことをよく知っているから面接試験を特別に免除してもらったのだぞ!!」
「ふざけるなよ!!オンボロアニキ!!」
「ゆうき!!」
「あなたやめて!!ゆうきさん、お兄さんにあやまりなさい!!」
「あやまれだと!!ふざけるなよ!!ここはオレの家だ!!出て行け!!」
「出てゆけはゆうきの方だ!!」
(ガツーン!!ドカッ!!)
アイツは、弟をグーで顔を思い切り殴り付けて倒した後、足で思い切りけとばした。
「ゆうきは、糸崎の家の恩を忘れたのか!?だれのおかげで50年間生きてこれたと思っているのだ!?中学の時にとし子ちゃんとトラブった時、お兄さんたちがどんな思いをしていたのか分からないのか!?」
アイツは、立ち上がれなくなるまで弟をシツヨウにけりつづけた。
アイツの弟は、アイツから受けた暴行によって殺された。
アイツと女は、亡くなった弟を浅間山の立ち入り禁止区域に置き去りしたあと、逃げた。
アイツの弟でアタシの元カレは、立ち入り禁止区域に置き去りにされたあと、発見されないまま人生を終えた。