医者の彼女
佐々木さんと話しながら立っていると、
田中さんが入ってくるのが見えた。

「佐々木さん、ごめんなさい。
お手洗い行ってもいいですか?」

佐々木「いいわよーいってらっしゃい」

そう言って慌ててバックヤードに逃げる。
田中さんにだけは会いたくない。
佐々木さんの前では特に。

裏から田中さんが注文して席に着くのを見届ける。
他の看護師さんたち4人とケーキを食べてるみたい。
幸いカウンターからは死角になる席に座ったので、
安心して戻る。

佐々木「あら、早かったのねー」

「えっ!あ、はい。…ありがとうございました」

佐々木「今来た看護師さん達には要注意よ。」

「な、何で…ですか?」

佐々木「だって、働いている理由がお医者さんと
結婚する為だって言うのよ⁇看護師という仕事を
なんだと思ってるのかしら…ねぇ⁉︎
ま、まだ辞めてないって事は相手がいないって
事なんだろうけどね。」

ふふふ…と笑う佐々木さん。

…めちゃくちゃ悪い顔してますよ。
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