医者の彼女
お昼ご飯も夜ご飯も喉を通らない。

一応点滴はされてるけど、栄養なんてたかがしれてる。

看護師さんからは出来るだけ食べるようにって
促されるけど、食べると嘔吐してしまう。
それを見て、諦めて下げてくれた。

その話を聞いて…なのだろう。
和弥さんが来た。

和弥「…亜妃。吐き気は?」

「…大丈夫です。」

目は合わせずにそっけなく答える。

軽く診察をされた後、近くに椅子を持ってきて座る。

和弥「…なぁ、聞いて。
あの婚約者の話なんだけど…。」

そう言って話し始める和弥さん。





桐島病院の院長に気に入られて、院長の
娘さんとお見合いをする事になったと。

断るより前に仲人を立てられ、それが自分の
上司であり、病院の今後にも影響するからと
言われ断れない状況になってしまったらしい。

そして、1度だけ会うことになった、と。

それでもちゃんとお相手にはお断りして、
その女の人にも想いを寄せてる人が居て
向こうからも丁重にお断りを受けたはずだったが
院長がどうしてもくっつけたいと、
周りに婚約者だと言ってしまったらしい。

そして…あの日曜日、院長にもう一度
きちんと話そうと、娘さんと院長と一緒に
話し合いをしてきた、との事だった。
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