医者の彼女
少し歩いたところにある、少し前にできた
カフェに行った。テレビなどでも紹介され、
いつも行列のあるお店。

この日も人は多かったが、タイミングよく、
あまり待たずに入ることができた。

「やっぱりここ、お洒落ですね。
来れて良かったです」

前に1度、やり取りの中で私が気になると
言っていたからか、連れて来てくれたみたい。

私たちはそれぞれケーキとコーヒーを頼む。

ヨーロッパで有名なパティシエさんの弟子が
始めた事で話題になった事もあって、ケーキは
見た目も凝っててすごくオシャレで美味しかった。

コーヒーを飲もうとした時

「ゴホッ、ゴホッ…」

和弥「…大丈夫⁇」

「なんかむせちゃったみたいで…ははっ」

和弥「なぁ。本当、1回病院行った方がいいぞ?」

「…むせただけですって‼︎そんな大袈裟な‼︎」

和弥「…病院行きたくない理由でもあんの?」

「嫌いなんですよね…病院。」

病院もだけど、医者がきらい。
あの男がチラつくから。

和弥「…前もなんか言ってたな。
そりゃ、好きなやつはいないだろ。」

「まぁそうですけど…でもほら、
風邪なら寝れば治りますから‼︎」

和弥「…風邪じゃなかったらどうすんだよ?」

「…それならそれで、構いません。
別に長生きしたい訳でもないですから。」

…どうせひとりなんだし。この世に未練なんてない。

和弥「…」
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