医者の彼女
呼吸が落ち着いたのをみて、和弥さんに
声をかけられる。

和弥「だいぶ落ち着いたか?一応病院行くぞ」

首を振る。病院にはいけない。

和弥「……。じゃ、とりあえず帰るか」

いつもなら無理やりでも連れて行こうとするのに、
今日は割とあっさり受け入れてくれる。

「ハァ…うん。でも、1人で帰れる…」

和弥「は?危ないだろ、一緒に帰る」

そう言ってもらえるのは嬉しいけど、
今は1人になりたい。

「でも懇親会があるでしょ?行かないと…。
私は大丈夫だから…行って?」

和弥「俺が、心配でそれどころじゃないんだよ。
それに…聞きたい事もあるし。」

聞きたい事っていうのは恐らくあの人について。
でも…話したくない、というより話せない。

「お願い、行って。タクシーで帰るから、大丈夫。」

頑なに拒む私に、身を引いてくれる。

和弥「…わかった。じゃ帰り着いたら連絡して。
今日はもう何もしないで俺が帰るまで家で
大人しくしてろな。早く帰るから。」

頷く。

和弥さんに支えられながらタクシーに乗り込み、
心配そうに見送る和弥さんと別れて家に帰る。
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