医者の彼女
私が言うことが分かっていたかのように
勝ち誇った顔をする和也さん。

和弥「うん、よく言えました。」

そう言って抱き寄せ、頭を撫でなられる。
さっきまでの怖い和弥さんは居なくて、
優しい声をしていた。

ここが病院だと言う事も忘れるくらい。

和弥「まじ、病室でプロポーズとかあり得ねぇな…。
とりあえず、勝手に居なくなるのはやめろ。」

頭の上から優しい声が降ってくる。

居なくなるって言うのは多分学会の日のこと。
あの時のことは後悔してる。
でもそうするしかなかった。
それしか思いつかなかった。 

「ごめんなさい…」

謝ると抱き寄せていた手を離し、
両肩を捕まれ、真正面に顔がくる。

待って。近い…
体温が一気に上がるのが分かる。
顔が火照り、直視できない。

すると、分かりやすくため息をつかれる。

和弥「ったく。そもそも、自己管理が
甘すぎるんだよ、あんだけ走るなって言ったよな?
全力疾走なんかしやがって…。
発作起こすわ、過呼吸起こすわ。
そのくせ病院は行きたくないだと?
わがまますぎんだろ。
こっちはお前の気持ち汲んで1人で
帰したっていうのに…連絡つかねぇし、
帰ったら居なくなってるし。
どんだけ心配かければ気が済むんだよ。
ましてや…体調悪いのに出て行くやつが
どこにいんだよ。」

そう言いながら頭をぐしゃぐしゃと撫でる。



……




…ん?






すっごくいい感じの雰囲気から一転。

もしかして私、怒られてる?
たった今プロポーズされたんだよね?
頭撫でられてるけど…行動と言葉が合ってない。

プロポーズとか想像してたのと全然違う。
もっと、ドラマチックなのをイメージしていた。

いや、そもそもこの状況でプロポーズに
なるとも考えてなかったんだけど。

色々予想外すぎて言葉を失う。
パニックなんですけど…⁉︎
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