医者の彼女
ー亜妃へー
君の事、きちんと愛せなくて申し訳なかった。
正直、俺はお前の母親が妊娠したことを
しらなかった。その母親が消えたと同時に
君の存在を知ったんだ。俺は自分の家庭を
壊す事ができなかった。だから、君の存在を
他人に知られないように、お前を医者から遠ざけ、
できるだけ人と接点を持たせないようにした。
本当に酷いことをしたと思う。
謝って済む事じゃないが…すまなかった。
瀧君が君と付き合っていると聞いた時は驚き、
腹立たしくも思ったが…今となっては
良い人と巡り会えて本当に良かったと思っている。
瀧君にも言われたが、散々な事をしておいて、
今更父親面するつもりはない。
勝手な事を言っているのは承知の上で言わせてくれ。
どうか、幸せになってほしい。 
ー父ー

手紙を読んでもあまりピンとこない。
強いて言えば…本当に自分勝手な人、と
思う程度。
ただ、和弥さんとの事は認めてくれた…
それだけは良かった。

和弥「これで本当に他人だから、
もう苦しまなくていい。」

そう言われた時は一気に肩の力が抜けた気がした。
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