医者の彼女
出会い
ー授業中ー
隣でずっと話しかけてくる、友達のみさき。
今日の私には話が全く入ってこない。
なぜなら私は絶賛風邪気味だ。そして今、
間違いなく熱がある。
みさき「でねー。…って、亜妃聞いてる?」
「…ん?聞いてる聞いてる。…なんだっけ?」
…聞いてなかった。
みさき「それ、聞いてないって言うのよ?
明日、19時に駅前のイタリアンバルに来て。」
「え?あ…うん。了解」
飲み会の約束か。
えーっと。明日、19時に…駅前バル。
うん、わかった。
…あ、バイト休むって連絡しなきゃ。
頭の中で情報を整理する。
…授業終わったし、今日は帰ろう。
電車に揺られること30分。
なんとか家に帰りつく。
ー自宅ー
はぁー…疲れた。
「ゴホッゴホッ」
最近嫌な咳が続いてる。
「完全に風邪だな。薬のも…」
薬を探すが見つけたのは空箱。
…あれ、もうない。
最近無くなるのが早いなぁ…と思いながら、
体温計を取り熱を測る。
「37.5℃…微妙。とりあえず今日は寝よ、
ご飯はもういいや」
1人ボソボソとつぶやきながら、お風呂に入って
ベッドにダイブ、と同時に意識を手放した。
ー翌朝ー
私は近くにあった24時間営業のドラックストアに
寄って、風邪薬を買ってから学校に行った。
みさき「おはよー!…って、ねぇ!
今日その格好で来るってことないよね⁉︎」
「えっ?…と。うん、着替えて行く。もちろん」
一瞬何のことかと思ったが昨日の会話を思い出す。
…忘れてた、完全に。
それもそのはず。今の私の格好はほぼ
スエットに近い。とてもじゃないけど、
イタリアンバルとはほど遠い格好をしていた。
はぁ…行きたくないなぁ。
そう思いながらも頼まれると断れない性格なんで行くしかない。
慌ててバイト先に連絡する。
風邪引いたって言ったらあっさりと了承してくれた。
間違いではないけど、ちょっと罪悪感。
授業が終わり一旦家に帰って、それなりの
服に着替えてから約束のバルへ向かった。