医者の彼女
"何かあったらすぐ電話すること。"
そう言って和弥さんが家を出て行ってからも、
しばらくその場を動くことが出来なかった。

ドキドキする…

ちなみに、和弥さんは抜かりのない方で、
家を出る前に、私のご飯と飲み物を
しっかりと準備してくれていた。

私はありがたくご飯をいただき、薬を飲む。

…さてこれからどうしよう。

流石に他人の家のものを勝手に使う気にはなれず、
床に座り和弥さんの帰りを待つことする。

…バイト、辞めなきゃだよね。
お酒飲めないんじゃ使いものにならない。

そう思い、電話を掛ける。

「店長…お疲れ様です。
昨日は本当にすみませんでした…」

店長[心配してたよー、今はもう大丈夫⁇]

「はい、今はもう落ち着いています。
それで…あの、バイトの事なんですけど…」

店長[もしかして…辞めようと思ってる⁇]

「は、はい…これ以上ご迷惑をお掛けする訳にも
いかないですし…」

店長[…実は私もね、喘息持ちなの。
昔はよくはつきちゃんみたいになってた。
でも、ほら今は普通でしょ?ちゃんと治療すれば
薬も飲まなくて良くなるし。こうやって普通に
仕事もできるのよ?今は突然のことで
不安もあるだろうけど…。
私、気持ちも少しはわかってあげられるし、
お酒も、ウーロンハイってことにして
ウーロン茶飲んだり、別にジュースで
対応したりもできるのよ?]

「えっ⁉︎…あの。」

店長[あれ、違うの?
お酒の相手できないから…とか思って辞めるって
言い出したのかと思ったんだけど…]

「いえ、そうですけど…どうして?」
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