医者の彼女
吸入が終わって診察室へ戻る。

終業近いからか、患者さんもほとんど居なくなってた。

部屋に入ろうとすると、中から田中さんの声。

田中「先生、今日もうこれで終わりですよね⁇
今日Nsでご飯行くんですけど、一緒に行きません?」

和弥「…行きません。」

田中「あ、じゃ2人では⁇」

和弥「…忙しいんだ。他を当たって」

田中「えー‼︎先生と行きたいんですよ。ふふ…
まぁ、今度でいいので、付き合って下さいね」

…すごい。諦めないんだ…
めっちゃ冷たく言われてるのに。
私だったらあんな言われ方したら心折れてる。

てか、入りにくい…

どうしようか、と思っていると…

田中「…そういえば、戻って来ませんね。
私ちょっと見てきますね。」

あっ…

鉢合わせ。

…ますます気まずい。

田中「あら、入ってきていいのに。」

まさに私が聞いてたのを知っていたかのような言い方。

お取り込み中だったようなので〜と、
嫌味の一つでも言ってやりたかったけど、
めんどくさいからやめた。

一刻も早く帰りたい。
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