ブラックサンタクロース〜悪い子はどこ?〜
あたしが怒鳴ると、ヴァイナハツマンは「ヤダなぁ〜。そんな怒んないでよ」とクスクス笑う。あたしが殴りかかろうとするとヒョイと軽く避けられた。ムカつく。

「僕はね、君に忠告しに来たんだ。もうすぐクリスマスがやって来る。それまでにいい子にならないと怖い思いをするよ?」

「はあ?急に現れたと思ったら説教?あんたもしかして父さんたちの雇った何でも屋?あんたに指図なんてされたくないね!!」

あたしは何度もヴァイナハツマンを攻撃する。すると、偶然にもあたしの蹴りが思い切りヴァイナハツマンにヒットした。やった!

しかし、ヴァイナハツマンは痛がったりしない。むしろさっきと変わらない顔であたしを見ている。何こいつ……。

「とにかく、クリスマスまでまだ時間はあるし、君を説得するね」

そう言ってヴァイナハツマンは去っていった。あたしは「馬鹿じゃね?」と呟き、残りのレープクーヘンを口に入れる。

あたしは、悪だからこそ生きていける。悪いことをするのがあたしの生きがい。それをあんな奴に壊されるもんか。
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