ブラックサンタクロース〜悪い子はどこ?〜
そうだ、今日の帰りにまた恐喝でもしよう。あと、仲の悪い不良のところに行って相手をボコボコにするのもいいかもしれない。今日は万引きより暴力を振るいたい気分だ。

「人を傷つけて楽しい?そんなことしていいと思ってる?」

不意に声が聞こえ、振り向くといつからいたのかヴァイナハツマンが。あいつ、昨日言ったこと本気だったんだ。

「はあ?テメェも勝手に学校に侵入してんじゃねえか!!何しようとあたしの勝手だろ!!」

「このままじゃ、本当に君は後悔することになるよ?それでもいいの?」

「説教とかいいから」

何かを言ってくるヴァイナハツマンを無視してあたしは歩き続ける。また空から雪が降ってきた。クリスマスも雪になるのかな。いや、できれば晴れていてほしい。

雪が降ればみんな家の中に閉じこもってしまう。そうすれば、スリや万引きができなくなる。人には多く集まってもらわないと……。

あたしがもう一度振り向くと、ヴァイナハツマンはもういなくなっていた。
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