ねえ、知ってる?【上】
二日前のことが頭をよぎる。
あんなことをサラッと言ってしまう大和くんは、きっと女の子の扱いが上手なんだと思っていた。
「ちゃんと好きになって付き合ったことはないよ」
「・・・・・・そうなんだ」
ちょっと気になる言い回しだけど、なんとなく聞かないでおいた。
「あ、隆平からLINEだ。映画見終わったらしい」
大和くんの携帯の画面が明るくなった。
「ほんとだ、もう四時過ぎてる」
「何してんの、って聞いてる。ちょっと苗こっち来て。ん」
「えっ、ちょっ・・・!」