ねえ、知ってる?【上】



 隣を歩いている時も大和くんは車道側を歩いてくれていた。


 男の人と二人で歩く経験なんて、今までなかったけどそれくらいは私にもわかった。


 道を渡るたびに車道側に立ってくれる大和くんは、きっと女の人と歩くことに慣れているのだろう。


「あ、家ここだよ。本当、ありがとう」


「ううん。どうせ帰り道だったし」


「じゃあ、また学校でね!」


「うん」


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