ねえ、知ってる?【上】
「うん、似合ってるな、赤」
「あ、ありがと! ごゆっくりね・・・!!」
「大和、なんか苗ちゃんに優しいな~!」
陽十香と雨野くんがそんな話で盛り上がろうとしているのを見て、私はすぐに厨房に戻った。
・・・・・・でも厨房には雅暉さんがいる。
うう・・・・・・こっちもこっちでめんどくさい・・・。
「苗ちゃん、お客さんいないから彼のところいても良いんだよ~?」
「ち、違います!! 私、彼氏いたことないですから・・・・・・っ!」