ねえ、知ってる?【上】



 店員さんが通してくれた席に座り、私たちは注文を済ませた。


 ケーキ食べられるのが楽しみだなあ・・・。


「何言われたの? 俺、聞いてもいいやつ?」


「あー、うん。今日は大和くんに相談したくて」


「俺? いいよ」
 

 言葉はそっけないけど、大和くんが優しいことは知っている。

 
 私はあの日、雅暉さんに言われたことや頭をなでられたこと、それからドキドキしてしまって仕事がまともに手に付かなかったことを話した。


 陽十香には言えなかったような恥ずかしいことまで、なぜか大和くんには落ち着いて話すことが出来た。


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