ねえ、知ってる?【上】



「よし、苗ちゃん。出来るところから片付け始めようか」


「は、はいっ!」


 美舟さんが見せた優しげな笑顔にまた胸が締め付けられる。


 こんな人に、勝てっこない・・・。


 私が美舟さんに勝っているとろこなんて、どこもない・・・。


 閉店してから片付けの作業は少なくて済むように、洗えるものをどんどん回収していく。


「あ、あたし洗うからそこに置いておいてね!」


「ありがとうございます・・・!」


 
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