ねえ、知ってる?【上】
「私、雅暉さんのことが好きみたい・・・・・・」
次から次へと流れてくる涙がそれを表していた。
止めようと思っても止まらない。
雅暉さんのことを考えるのをやめようと思ってもやめられない。
『・・・・・・そっか。つらい道を選んだんだね。苗、大丈夫・・・?』
陽十香は止めなかった。
ただ、受け入れてくれた。
「だ、大丈夫、じゃないかも・・・」
初めて泣きながら誰かに電話をかけた。
大丈夫だよ、と強がることも出来ずにただ涙が溢れてくる。
苦しい。
呼吸がうまく出来ない。