ねえ、知ってる?【上】
そのおかげで余計なことを考えずに仕事に集中出来たのだけど。
私は仕事も一通り覚えることが出来て、料理以外は自分でこなせるようになっていた。
料理の注文が入ると、雅暉さんに通さないといけないのでその時はとても緊張した。
あっという間に九時、閉店の時間になった。
私は店内に残っているお客さんに閉店コールをし、厨房に戻った。
「雅暉さん、ドアの鍵かけ終わりました」
「ありがとー! こっちももうすぐ終わるよ」
店内からお客さんがいなくなり、全ての電源を切り終わったら私たちの仕事は終わりだ。
あとは従業員入り口の鍵をかけて帰るのみ。