ねえ、知ってる?【上】
「いや~これ重いでしょ? 俺、一応男だからこれくらい、ね?」
「っ・・・・・・。ありがとうございます・・・」
優しい・・・。
優しさと同時に、そんなことがサラッと出来てしまうことが少し悲しい。
「ここね、俺の行きつけなんだよ。カウンター席で良い?」
「は、はい!」
カウンター・・・。
私の隣に座った雅暉さんと肘が当たりそうなくらい近くてドキドキしてしまう。
「俺のオススメはね、あさりラーメン! いつもそれって決めてるんだよね」
「じゃあ、私もあさりラーメンにします」
「お、同じか~! 良いぞ良いぞ。すいません、あさりラーメン二つお願いします」