ねえ、知ってる?【上】
私は恥ずかしいのも忘れて、夢中でラーメンを食べた。
隣の雅暉さんもラーメンに夢中の様子だった。
たまに当たる肘から体温がどんどん上がってくる気がした。
「あの、私ちょっとトイレ行ってきます」
食べ終わった後、私はリップを塗り直したくてトイレに行った。
リップの取れた顔を雅暉さんに見られたくなかった。
「はいよー!」
トイレの中で一度呼吸を整えてから雅暉さんの元へ戻った。
「お、おかえり。そろそろ遅いし帰ろうか」
「はい。あ、いくらですか?」