ねえ、知ってる?【上】



 大和くんは、私の涙には触れずそっと食器を受け取ってくれた。


 お鍋の火を弱めてレトルトのご飯をレンジに入れた。


 私はぼーっと机の前に座っていた。


 メイクが取れないように涙を拭った。


 ダメだ。
 

 大和くんに甘えてばっかりじゃダメだ。


 雅暉さんのことを好きになってから、私は弱くなった。


 少しのことで泣きそうなほどにつらくなる。


 数分して、大和くんがカレーを運んできてくれた。


「ありがとう」


「そういえばこれ、中辛だけど食べれる?」


「うん」


 私はいただきますを大和くんに告げてカレーを一口食べた。


 おいしい・・・。


 
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