ねえ、知ってる?【上】



 いくらそんなことを思ったってどうにかなる訳じゃないのにな・・・。


「苗、俺の残りあげる」


「えっ、どうして!?」


 大和くんは三分の一くらい残したチーズケーキを私に渡そうとした。


「俺といるのにそんな顔するな。これ食べて笑って」


「あ・・・・・・」


 まただ。


 また私はあんな暗い顔をしてしまっていたのか。


「フーン・・・・・・」


 それを見た雨野くんはニヤニヤと笑っていた。


「大和は本当に苗のことによく気付くよね」


「仲良いからな」


 ありがとう、大和くん。


 
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