ねえ、知ってる?【上】
「雅暉さんのことを、だ、男性として、見てます・・・・・・っ」
「・・・・・・・・??!??」
雅暉さんは何が起こっているのかわからない、というような顔をしていた。
自分でも自分が何を言っているのかわからなかった。
それでもなぜか今しかないと思った。
「す・・・・・・・・・す」
「あーーーー! 苗ちゃん、お店見えたよ!!」
雅暉さんは私の言葉を遮って、目の前に見えてきたお店に向かって先に歩き出してしまった。
「・・・・・・・・・」
言わせてくれなかったのか。
私が何を言おうとしているのかを察して、言わせないように遮ったのか。