ねえ、知ってる?【上】



「あの、雅暉さん・・・・・・」


 伝えたい。


 どうにもならなくたって良い。


 自分の気持ちを伝えたい。


「・・・・・・ん?」


「・・・・・・好き、です」


 顔が真っ赤になって心臓が飛び出しそうだった。


 声が震えた。


 人に告白をするのがこんなに緊張することだと、初めて知った。


 恥ずかしい。


 いつももっとたくさん話をしているのに、たったこれだけを伝えるだけでドキドキが止まらない。


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