ねえ、知ってる?【上】
初めての告白はラーメン屋さんの前だった。
「・・・・・・ありがとう。こんな俺のことをそんな風に思ってくれて、嬉しいよ」
雅暉さんは嬉しいような、悲しいような、そんな表情だった。
ああ、次に雅暉さんが何を言うのか怖い。
聞きたくない・・・・・・。
ただ私は気持ちを伝えて、もう少し雅暉さんに近づきたいと思った。
少しずつ少しずつ、自分が雅暉さんに求めるもとが増えていく。
「・・・・・・でも、ごめんね。俺は、苗ちゃんの気持ちに応えられない」
「・・・・・・・・・・・・」
わかってた。
そんなことはわかってた。
本人の口から聞くと、こんなにつらいんだ。
「だけど苗ちゃん、またいつでもご飯行こう。二人きりで」