ねえ、知ってる?【上】



「え・・・・・・・・・?」


「・・・・・・ごめん、ちょっとずるいよねこれ・・・・・・・・・。でも、グッと来たんだよ・・・」


「えっ・・・・・・!」


 雅暉さんは目を落ち着かないようにキョロキョロさせていた。


『二人きりで』・・・・・・?


『グッと来た』・・・・・・?


 心臓がまた、早くなる。


「こんな29歳、まじで世間から見たら最悪だと思う・・・んだけど。俺、まじでダメな大人だし・・・・・・・・・」


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