ねえ、知ってる?【上】
「・・・・・・・・・そうか?」
「え?」
「は?」
「どういうこと? 大和」
大和くんは、机に指で円を描きながらそれをじっと見ていた。
私たちとは目を合わせてくれなかった。
「苗の気持ち考えてくれてるようで、キープしておいたようにしか聞こえない。やめなよ、そんな人」
「っ・・・・・・確かにね・・・」
「ああ・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・そんな・・・」
雅暉さんのことで初めて大和くんに否定された気がする。
美舟さんと付き合っていた頃、陽十香は雅暉さんを気になりかけている私を止めた。