ねえ、知ってる?【上】



「・・・はは、苗、全く気付いてなかったんだろ。俺が今まで何言っても、全然」


「え・・・・・・うん・・・・・・・・・・・・」


 確かに、大和くんは時々私に対して変な発言をしていた。


 友達には言わないようなことも。


 だけどまさか私をそんな風に思ってくれていたことには、全く知らなかった。

 
「・・・・・・・・・前までは、その人は苗を困らせたり悲しませてばっかりだったのに、彼女と別れてからはそうでもなくなった。前までは苗を笑顔にさせてたのは俺だったのにな」


 胸の鼓動が早くなる。


 
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