ねえ、知ってる?【上】
昔のことを思い出しながら話をする大和くんを見ているのがつらい。
思い出して話すだけでそんなに悲しい顔になってしまうくらい、本当にその人のことが好きだったんだ。
「それから女の人が信じられなくなって、言い寄ってくる女とは遊びでしか付き合ってなかった。・・・・・・・・・こんなこと本当は苗に言いたくなかったんだけどな」
「そうなんだ・・・」
全然知らなかった。
大和くんは確かに女の子の扱いに慣れている感じがするし、モテるのもわかっていた。
だけど、そんな遊んでいたなんて、想像もつかない。
「大学になってからはちゃんとしようと思って、気持ち入れ替えて来た。今までは女の人が何を言えば喜ぶかわかっていたし、気持ちを動かすのも簡単だった」