ねえ、知ってる?【上】
「大事に思ってくれる人」
「ただいまーーー!! お待たせ」
「ビーフシチューを作ることにした!! 大和、苗ちゃん、待った?」
「うっ、ううん!! 全然待ってないよ!!??!」
「ああ」
あれから二人が帰ってくるまでの30分間、私はずっと意識してしまって大和くんと話すどころか、目も合わせられなくなった。
これまで友達として接してくれていた大和くんが、完全に男の人になった。
初めてのキスをされたことに動揺している私を見透かすように、大和くんは私に色々なことを言って来た。
ーーー
「苗、もう一回キスしよっか?」
「も、もうダメ!!!!!」