ねえ、知ってる?【上】



 二人のビーフシチューが完成したのはそれから30分後だった。


「かんせーい! お待たせ!!」


 私と大和くんでご飯とシチューを盛り付けた。


「よし、食べようぜ~!!」


 雨野くんのかけ声とともに四人で食べ始めた。


 確かに具は少なめだけど、おいしい。


「ところで苗、大和。二人、何かあった?」


「えええっ!???! な、何もないよ」


 私の目の前に座っている陽十香が、私と大和くんの顔を見比べながらそう言った。


 私は『何か』に心当たりがありすぎるし、その空気感が陽十香に伝わってしまっているのがとても恥ずかしかった。


 ど、どうしよう・・・・・・。


 大和くんにキスされたことがバレちゃったら・・・・・・。

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