ねえ、知ってる?【上】



 まっすぐに、私はまっすぐに雅暉さんのことを思えているのだろうか。


 大和くんが私を思ってくれているように、私は雅暉さんのことを思えているのだろうか・・・・・・。


「その大事をいつか『好き』に変えるから」


「・・・・・・・・・・・・わかんないよ・・・」


「ヒュ~~」


 と、雨野くんが声をあげた。


「大和、強いね」


 陽十香のその発言に大きくうなずいた。


 雅暉さんが美舟さんと付き合っていた時に告白しようなんて、思いもしなかった。


 美舟さんと話す雅暉さんを見るだけでつらかったし、雅暉さんに美舟さんの陰を感じるだけで苦しかった。


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