ねえ、知ってる?【上】
とりあえずキーボードをゆっくりなぞってみる。
「お疲れ様です、この前のことですが、・・・・・・・・・・・・。ダメだ」
打っていた文字を全て消した。
これじゃあきっと堅すぎる・・・。
もう少し砕けた感じで良いのかな。
『お疲れ様です☺ 雅暉さん、いつデートしてくれますか? お返事待ってます』
・・・・・・・・・・・・頑張った。
この文章を考えるだけに10分以上かかった。
考えると言っても、陽十香に言われた言葉を打ち込んだだけだけど、それでも指がなかなか動かなかった。
恥ずかしいな・・・。
あの時の雅暉さんは、冗談で言っていただけでデートをするつもりなんてなかったとしたらどうしよう・・・。