ねえ、知ってる?【上】
私と陽十香は駅の近くにあるカラオケに入った。
陽十香とカラオケに来るのは初めてだった。
ご飯前に何かを食べてしまうと、夜余計に何も食べられなくなりそうだったのでカラオケだ。
それに、カフェだと周りに話が聞かれてしまうかもしれないと思ったので、人目を気にしないで話せる場所を選んだ。
「今日の苗、めっちゃ大人っぽいし良い感じだね!」
部屋に入ると陽十香が褒めてくれた。
やっぱり陽十香は私のことをよく見てくれているし、変化にもすぐに気が付いてくれる。
「うん、ちょっと意識してみた」
「いいよ、めっちゃ似合ってる! それで雅暉さんもメロメロだね~!!!」
「うふふ、そうかな」