ねえ、知ってる?【上】
「デートでしょ? これくらい、ダメ・・・?」
「っ!!!」
そう言って雅暉さんは私の左手を繋いだ。
何これ・・・・・・!
前に大和くんに繋がれた時とは比べものにならないくらいドキドキした。
「だ、ダメじゃないです・・・・・・」
私は顔が赤いのがバレたくなくてうつむいて答えた。
雅暉さんと繋がっている部分からどんどん熱くなっていく。
大きな手に引かれながら私は雅暉さんの隣を歩いてついて行った。
幸せだ。
こうしていると、雅暉さんの彼女になれた気がして嬉しい。
雅暉さんは一体どう思ってこんなことをしてくれているのだろう。
内心が気になってしまう。
このまま時間が止まってしまえば良いのにと本気で思った。
どうせ叶わないのなら、ずっとこのまま時間が動かなければ良い。