ねえ、知ってる?【上】



 パスタに対して言っているはずなのに、なぜか「好き」という言葉を使うことに緊張する。


 前に座っている雅暉さんを見ると本当にデートしているのだと実感してドキドキする。


 証明が明るくなくて良かった。

 
 顔が少しくらい赤くなってもバレない。


「良かった! ていうか苗ちゃん、今日めっちゃ大人っぽいよね。すごい素敵だよ」


 冗談っぽくなく真剣に褒めてくれているのがわかって泣きそうなほどに嬉しくなった。


「あ、ありがとうございますっ・・・・・・! か、可愛くしてきました・・・・・・」


 と頑張って伝えた。


 恥ずかしい。


「ふふっ。本当に可愛いね? 俺そういうこと言われると弱いなー・・・」


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