ねえ、知ってる?【上】
雅暉さんを幸せに出来るのは私じゃないんだ。
「ごめんね、良い大人は未成年にこんなことしないんだよ。俺は本当に・・・・・・本当にダメなんだ」
鼻の奥がツーンと痛くなって涙が目に溢れた。
ダメでも良いじゃん・・・。
薄々わかっていても好きになっちゃったんだよ。
優しく断ってくれる雅暉さんの姿勢にも惹かれてしまう。
どうしようもないところまで好きになってしまったんだから、やめられないんだよ。
「苗ちゃんを泣かせない男を選んで欲しい。俺じゃ、ダメだよ」
我慢していたのに、下を向くと涙がこぼれてしまった。
「今日はデートしてくれてありがとう。もう俺からは誘わないから、別の人を見つけてね」
つらい。
もう私の片思いは、初恋はこれで終わりなの・・・?
好きになってから毎日があっという間に過ぎて行った。
毎日がキラキラしていた。