ねえ、知ってる?【上】
少しのことで嬉しくなったり、悲しくなったり、今まで自分が知らなかったたくさんの感情を知ることが出来た。
もう、雅暉さんのことを思ってはいけなくなる。
もう、こんなキラキラした日常から離れないといけなくなる。
「・・・・・・じゃあ、もう一回手を繋いで欲しいです。ちゃんと、それで好きをやめます・・・・・・。思い出にします」
それでもう終わりにする。
もうこれ以上は雅暉さんに望まない。
望めない。
雅暉さんも、まだ美舟さんに「恋」をしているんだ。
ううん、もしかすると「愛」なのかもしれない。
この間「恋」をやっと知った私には、それがなんなのか見当も付かない。