ねえ、知ってる?【上】



「ど、どうしたの・・・?」

 
 私は携帯を閉じた。


 お母さんは、今日は出張で家を空けていた。


 家にいたとしたらあんなに声を出して泣けなかった。


「・・・・・・・・・また泣いてんじゃん」


「え・・・・・・?」


 大和くんはそう言って私を胸に抱き寄せた。


「えっ!??!」


「仁村さんから『緊急事態』ってLINE来たから、来た。頑張ったな、苗」


「・・・・・・」


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