ねえ、知ってる?【上】



「好きだよ」


「・・・・・・・・・」


 大和くんなら、私を悲しませたりしない。


 大和くんなら、私だけを見ていてくれる。


 ・・・・・・私もずるい。

 
 そんなずるいことも考えてしまう。


「俺のこと利用していいよ。あの人のこと忘れさせる。俺は苗のことを好きにさせる自信ある」


「・・・・・・そんなの出来ない」


 大和くんが良い人だってわかっているのに、そんなことは出来ない。


 傷付けられない。

 
 雅暉さんを忘れるために、大和くんの気持ちを弄んだり出来ない。


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