ねえ、知ってる？【上】

「泣くなよ･･････。苗は笑顔が可愛いのに、そんな顔ばっかすんなよ」


　大和くんの顔が少しゆがんでいた。


　大和くんまでそんな顔をさせてしまってごめんね。


　私がふがいないばっかりに、こんな恋愛をしてしまって、こんなに傷付いて、大和くんを傷付けてしまって･･･。


「わからない、っ･･･よ･･････。初めて･････････初めて、人を好きになって、デートして･･･初めて、手を繋いで貰って、初めて、失恋しちゃったんだよ･････････」


「うん」


「大和くんが優しくて、私を思ってくれるのは･･････わかってる･････････」


　声が震えた。


　気持ちをちゃんと伝えないといけないんだ。