ねえ、知ってる?【上】
わかっている。
わかっているのに、一人でいたくなくて、弱い私は大和くんの優しさに甘えてしまっているんだ。
「俺、男。好きな女、目の前にいる。そんな目で見られたら、普通の男は我慢出来ないと思うけど」
「大和くんはそんなことしないってわかってるから・・・・・・」
わかっているから、こんなことを言ってしまう。
「さすがに傷付いた時にそんなことしない。苗が俺のこと好きになるまでは絶対しないけど。・・・・・・・・・本当に良いのかよ」
「こんなこと頼めるの、大和くんしかいないから・・・・・・」
「ははっ。苗は正直だな。全然俺になびかないのな。良いよ。今日は一緒にいる」
「ありがとう・・・・・・」
こうして、初恋の人にフラれて大失恋した日、仲の良い友達であり、私のことを好きだと言ってくれる大和くんが、私の家に泊まっていくことになりました。
ーー続ーー