ねえ、知ってる?【上】



 桐谷くんは静かにアイスの蓋を開けた。


「あ、ゴミ、ここに入れておくね」


 私は桐谷くんから受け取った蓋のゴミを持ってきた袋に入れた。


 どうしよう、き、気まずい・・・。


「冷たくておいしいよ。ありがとう新田さん」


 さっきと同じ笑顔を見せてくれた。


 やっぱり・・・・・・。


 桐谷くん、いつもあんまり笑わないけどやっぱり、笑った顔の方が似合っている。


 いつもはきちんとした格好しか見たことがなかったけど、今日の桐谷くんは部屋着のせいか全然違う人に見える。


 それに、この部屋全然男臭くない・・・。


 なんだか安心するな。


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