星降る夜、君ともう一度
「うん」

「忘れ物とかしないようにね」

「うん」

「お腹出して寝ちゃダメだからね」

「うん」

寂しくて黙ってしまうことが嫌なのか、いつも朝日は一生懸命話を続けようとする。そんな様子も可愛いと智月は思い、また朝日を好きになってしまった。

「あっちゃん」

智月がそう言うと、朝日は「どうしたの?」と首を傾げる。智月は頬を赤くしながら言いたい言葉を飲み込んだ。

「あっちゃんも元気でね」

本当は、こんなことを言いたいのではない。智月の胸は、さっきとは違い痛みを訴え始める。甘い鼓動は感じない。ただ、切なさだけが広がっていく。

智月にとって、朝日は初恋の人だ。本当は「好きだよ」と言いたい。朝日がその言葉の意味をわからなくても、友達としての好きと受け取っても構わない。ただ、この想いを伝えたい。

しかし、朝日を困らせることはしたくないと想いは閉じ込めることを決めたのだ。もしも想いが通じ合ってしまったら、会えない時間が悲しすぎるから。
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